視座を上げるには抽象化をマスターせよ!抽象化の必要性と考え方!
はじめに
みなさん、抽象化は使いこなせていますか?
抽象化という言葉自体は知っていても、仕事の中で正しく使いこなしている方は少ないのではないでしょうか?
こちらの記事にも書いた通り、視座を上げることはキャリアアップで非常に重要です。
そして、視座を上げるためには抽象化を使いこなすことが重要です!
抽象化って言葉は知っているし、感覚的にできているよ
そう思った皆さん、本当にできていますか?上司や同僚に納得感のある説明ができるレベルまで正しく使いこなせていますか?
抽象化には正解はありません。そのため、抽象化の質を高めるために意識的に動いていくことが大切です。
本日は抽象化がなぜ必要なのか、どうやって使いこなすのかを一緒に考えていきましょう!
抽象化の必要性
抽象化とは?
そもそも抽象化とは何でしょうか?
物事から共通項を導き出すことです。
例えば、人・犬・猫・猿を「哺乳類」としてまとめたり、ピーマン・にんじん・キャベツを「野菜」としてまとめたり、それぞれの共通部分をまとめて表現することを指します。
上記の例のように、複数の物事をまとめ上げることを抽象化と言います。
人や犬を抽象化すると哺乳類、サケやコイを抽象化すると魚類、といったようにそれぞれ抽象化ができます。
また、哺乳類・魚類・爬虫類を抽象化すると脊椎動物とまとめることができます。
このように抽象化は一度行えば終わりではなく、複数の階層構造になるものです。
哺乳類に着目すると、人と哺乳類の関係は具体/抽象になる一方で、脊椎動物と哺乳類の関係は抽象/具体になります。
つまり、哺乳類というくくりは抽象的なものでもあり、見方によっては具体的なものになるのです。
抽象化は相対的な関係により成り立つため、一回抽象化したから満足していいものではない点は注意しましょう!
抽象化の必要性
日々様々な問題が起きる中で、以下の通り対応したらどうなるでしょうか?
もちろん目先のトラブル対応はしなければならないため、都度対応することでしょう。
しかし、目先のトラブル対応だけで止まってしまうと今後どうなるでしょうか?D製品でトラブルが起きたらまた同じように対応を繰り返すことになります。
つまり、1つの解決策では汎用性がないため、何度も何度もトラブル対応を繰り返す必要があります。
今回はそれぞれの製品に共通する製造方法に問題があったとします。
その場合、上記の通り製品全体の製造方法を見直すことで抽象化ができます。
これにより、D製品などまだトラブルが発生していない製品や、今後の新規製品ではそもそもトラブルが発生しない可能性がありますよね?
目先のトラブル解決で終わらず、抽象化して多くの製品に関わる課題を突き止めることで、製品全体に対する幅広い解決策を実行できます。
・抽象化しないと
1つ1つ目先の解決をしなければなず、時間もかかり汎用性がない
今後も同じような課題が発生する可能性が高い
・抽象化すると
共通の課題を見つけることで、1つの解決方法で幅広い課題を解決できる
今後は同じような課題が発生しなくなる可能性が高い
また、抽象化することで上司の考えに近い思考を持つことができ、評価につながる行動ができるようになっていきます。
以前説明した通り、それぞれの役割によって物事の考え方は異なっていきます。
皆さんの上司は、1つ1つの課題を地道に解決するよりも、広く影響を及ぼせるような解決策を考えています。
これは上層部になればなるほど幅広い解決策を考える傾向にあります。
つまり、抽象化をすることで広く影響を及ぼすような課題を突き止めることが、上司が日々実施している考えに近づくんです。
皆さんがキャリアアップするためには、上司のやるべきことに直接影響する動きが重要です。そのような動きを実践するためには、目先の課題にとらわれるのではなく、抽象化をすることが重要です。
抽象化の方法
抽象化には様々な方法があります。それぞれ見ていきましょう!
帰納法
帰納法ではそれぞれの物事から様々な観点で共通点を集めて抽象化していきます。
まずは構造を分解する方法です。
上記の通り、「A製品」「B製品」「C製品」という観点で見た場合に、それぞれ製造方法にトラブルがあったとします。
3つの製品にて同様の問題が発生したことから、抽象化することで製造方法全般に問題があると結論づけた方法です。
このように、「製品」「上司・同僚・部下」など、様々な観点で区切って共通項を見つけることが帰納法では役立ちます。
2つめは時間による抽象化です。
5年間・現在・5年後など、様々な時間で切り取っていくことでそれぞれから共通項を導いていきます。
上記の例では、Aさんは5年前も、現在も、将来も、大事な仕事を任されていることから優秀だと結論づけています。
3つめは比較する方法です。
上記の通り、業界全体の成長率と自社の成長率を比較して、自社の成長率の方が高いため成長企業だと結論づけています。
何かしらの指標で数値を比較していくことも抽象化の方法です。
演繹法
演繹法とは複数の文章を組み合わせて結論を導く方法です。
プロジェクトの目標利益率が20%に対して、Aプロジェクトは35%もの利益率を叩き出し、かつ他のプロジェクトは30%以上のものはなかった。これらを考えるとAプロジェクトは大成功したと言えますよね?
複数の文章をつなげていくことで、結論を導き出すのが演繹法の考え方になります。
分類わけ
物事を何かの軸で切り分けることも抽象化の方法です。
この際には、MECEに漏れなくダブりなく分けることを意識しましょう。
・エリア:東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県…
・年齢:10歳未満、10代、20代、30代…
・業種:小売、金融、電力・ガス、不動産…
なぜを繰り返す
共通項を導きだすだけでなく、「なぜ」を繰り返すことでも抽象化ができます。
A製品のトラブルが起きた場合に「なぜ」起きたのかを考えます。今回は製造方法に問題があったとします。
次に「なぜ」製造方法に問題があったのか考えます。その際に出てきた答えに対して「なぜ」を繰り返していきます。
なぜを繰り返すことで物事は抽象化されていきますので、繰り返し行うことが非常に重要です。
実践での活用方法
上記の通り、抽象化の様々なやり方について説明しました。
これを実践で活用するためには、まずは書き出してみることが重要です。頭の中だと物事の整理がつかないことは多いので、一手間かけて書きながら考えていきましょう。
①課題を洗い出す
今自分が直面している課題や部署で解決しないといけない課題など、具体的な課題を書き出します
②抽象化の観点を決める
今回説明した中で、今回はどの抽象化のやり方を試してみるのか決めます。1つのやり方にこだわる必要はなく、はじめは複数の方法を試してみた方が良いでしょう
③抽象化を行う
具体的な課題をもとに抽象化を実践します。
前述の通り、抽象化は一度行えば終わりではありません。また、抽象化には正解がないため様々な結論を導くことができます。
②でいくつかの抽象化方法を選んだら、それぞれの方法で抽象化して一番しっくりくる結論を選ぶようにしましょう
抽象化になれるまでは紙やドキュメントに書きながら、いくつかの抽象化の方法を試してみるようにしましょう。
頭の中で考えると重要な要素が抜けてしまったり、間違った方法で結論づけてしまうこともあります。
まずは書き出しながら、どの抽象化パターンで結論づけたのか、どのような観点でそう思ったのかを丁寧にまとめていくことで、確実に抽象化が実践できるようになります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
本日は抽象化の必要性から具体的なやり方まで説明していきました。
抽象化は広く問題を解決するためにも、自信が評価されてキャリアアップにつなげるためにも重要なスキルです。
感覚で行うと説得力に欠けたり、正しい結論を導き出せないことがあります。
まずは1回1回丁寧に実施することで、最終的には頭の中だけで素早くできるようになっていきます。
ビジネスで必須のスキルとも言える抽象化を活用して、質の高い動きができるように頑張りましょう!
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