本質的な価値を理解しよう!仕事の本当の価値を考え抜く方法!
はじめに
皆さんの会社やご自身の仕事は利用者にどんな価値を提供しているでしょうか?
例えば以下のように考えた方はいませんか?
私は掃除機を作っている会社に勤めていて、掃除機をお客様に届けることが価値です!
コールセンターで仕事をしているので、お客様の質問に回答することが価値です!
このような考え方はもちろん正しいですが、答えが浅い段階で止まっています。
今まで多くの方と接してきましたが、上記のように価値の本質を正しく言語化できていない人が多くいます。
本来の自社の価値、サービスの価値、業務の価値を理解していないと、不要なことに時間やお金を使ってしまいます。
ゴールが明確でないのにがむしゃらに走っている状態に近いです。
価値の本質を理解することで、何を頑張るべきなのかが明確になります!
日々忙しく仕事をしていると忘れがちですが、本質を理解することでやるべきことがより明確になります。
これは会社全体を考える経営層から、現場を支える社員全員が理解すべき重要な内容です。
是非この機会に価値の本質を理解して、大事な仕事に集中できる状態を目指しましょう!
モノやサービスの本質的な価値とは?
少し概念的な話から説明します。
皆さんの会社で販売しているモノやサービスは分解すると、以下の通り分けられます。
提供しているモノやサービスは、本質的な価値となっている部分が根幹にあり、それを提供するために様々な機能を提供している形になります。
よくある間違いが、この緑色の枠線部分を価値だと勘違いしてしまうことです。
洗濯機のメーカーは、提供している価値が「洗濯機を提供すること」だと思ってはいけません。
お客様は「洗濯機が欲しい」から買っていると表面的な部分で捉えてしまうと、お客様の求めるものから遠ざかってしまうことがあります。
皆さんもこのような経験はありませんか?
何か商品を買うときに、自分の関心と異なる部分をたくさん説明されたことはないでしょうか?
もちろんモノやサービスとしては素晴らしい場合がほとんどですが、自分の関心と異なる部分をたくさんとアピールされても響かないですよね?
これは先ほど述べたように、お客様は本質的な価値を求めているにも関わらず、社員が表面的な機能をアピールしてしまうことでギャップが生じています。
このように、表面的な価値・機能だけに捉われてしまうと、お客様とのギャップが生じるのです。
もちろん本質的な価値はお客様ごとに異なります。
洗濯機を例に挙げると、楽して衣服をきれいにすることが価値な方もいれば、乾燥機能で衣服がふわふわに着れることを価値にする人もいます。
人によって本質的な価値は異なるものの、それぞれのお客様の本質を捉えることに注力しないといけません。
上記は一例になりますが、モノやサービスの本質的な価値を捉えることで、お客様とのギャップをなくして正しく価値を提供できるようなります。
また、本質的な価値を捉えることで、真の競合が見えてきたり対策が練れるようになっていきます。
お客様が求める本質にも様々なものがあるため一概に正解はありません。しかし、これらを常日頃から考えるクセをつけていくことが重要です。
お客様が求める価値を提供できればニーズが生まれることもあるため、表面的な機能に捉われてはいけない良い例です。
●食洗機
通常は食器を洗う・乾燥ための商品ですが、一部ではプラモデルの乾燥でも使われています。
お客様はプラモデルをより高品質で作成することを求めており、塗装したプラモデルに埃が付かないように乾燥したいニーズがあります。
これを本来とは異なる使い方で食洗機を活用することで、ニーズが満たされています。
●歯ブラシ
皆さんも家の掃除で歯ブラシを使っていませんか?
もちろん歯ブラシは歯を綺麗にするためのものですが、細かいブラシやコンパクトなサイズ感から掃除にも多用されています。
お客様は隙間掃除や細かな汚れを落としたいニーズがあり、それを歯ブラシが満たしている形になります。
実例で考える
自動掃除ロボット
まずは自動掃除ロボットを例に挙げて考えてみましょう。
自動掃除ロボットをイメージすると、自動で部屋を掃除してくれる機能が挙げられます。それに付随して段差を自動検知したり、空間把握によって間取りや導線を自動計算したり、ステーションでゴミが自動で吸い上げられたりする機能が付いていきます。
では、お客様が本当に求める価値とは何でしょうか?
それは「楽して部屋を綺麗にしたい」ということです。あくまで楽して部屋を綺麗にする1つの選択肢として自動掃除ロボットがあることになります。
つまり、競合となり得るのは自動掃除ロボットだけではありません。
モノやサービス | 提供する機能 |
---|---|
自動掃除ロボット | 自動で部屋を巡回して掃除してくれる |
掃除機 | 手軽にゴミを吸引できる |
その他掃除用具 | 手軽にゴミを収取できる |
家政婦や掃除サービス | 人が部屋を綺麗にする |
自分で掃除する | 自分の時間を使って部屋をきれいにする |
上記のように「楽して部屋を綺麗にする」ニーズを満たしたモノやサービスは様々あります。
お客様は上記のような様々な選択肢がある中で、無意識のうちに自分のニーズを満たせるモノやサービスを選定しています。
つまり上記全てが競合になり得ることを理解した上で、他社との差別化を図る必要があるわけです。
これらを意識せずに他社の自動掃除ロボットとの差別化のみを考えてしまうと、不要な機能がどんどん追加して無駄な高機能になってしまいます。
皆さんも「こんな機能使わないよ…」と思うような多くの機能が備わった商品に心当たりはありませんか?
大事なのはお客様の本質的な価値をいかに提供するかです。
それを意識せずに機能追加や手厚いサービスを提供しても、社内のリソース面でもお客様のニーズ面でも遠回りになってしまいます。
動画投稿サイト
続いて動画投稿サイトについて考えていきましょう。
動画投稿サイトの主な機能は動画投稿、動画閲覧、コメントなどが挙げられます。
お客様が求める価値では「投稿者」「視聴者」の2つの目線で考える必要があります。
上記の通り、それぞれが求める本質的な価値は異なります。利用者の属性が複数ある場合には、分けて考える点に注意しましょう。
これらの価値1つ1つに対して、競合を整理することが重要です。
モノやサービス | 提供する機能 |
---|---|
動画投稿サービス | 動画形式で情報発信する |
ブログ | 記事形式で情報発信する |
SNS | 短い文書・写真・動画で情報発信する |
書籍 | 長文で情報発信する |
今回は価値を例に整理してみます。暇潰しは競合が無限に考えられるため、いくつか例に挙げてみます。
モノやサービス | 提供する機能 |
---|---|
動画投稿サービス | 動画形式で楽しむ |
テレビ | 動画形式で楽しむ |
漫画 | ストーリーで楽しむ |
ゲーム | 操作して楽しむ |
このように整理した場合、動画投稿サービスとしてどんなお客様のどんな価値を満たすのかを考える必要がります。
モノやサービスは価値が1つではありません。利用者の属性ごと、複数あるメリットを1つずつ分解して考えていくことが重要です。
各業務の本質的な価値とは?
このような考え方やモノやサービスだけでなく、各部門の担当業務にも同じことが言えます。
例えばサポート部門を例に挙げると、役割はお客様からのお問合せを受け付けて質問に答えることです。
一方、お客様が求めているのは疑問を解消することです。
サポート部門による電話対応だけでなく、以下のように様々な方法で解決できます。
方法 | 提供する機能 |
---|---|
人による問合せ電話対応 | 細かな状況を聞いてお客様に合った案内をする |
よくある質問 / FAQ | 汎用的な疑問点を手軽に解消する |
チャットボット | 疑問を解消するまでの流れを明示する |
動画 | 動きを提示することで視覚的に案内する |
サポート部門の役職者は、これら様々な方法を組み合わせて、何が最適なのかを考えていくことが重要です。
また、お客様は疑問を解消したいのであれば、回りくどく丁寧すぎる対応は逆に本質を捉えていない可能性もあります。
必要以上に丁寧に、時間をかけて対応することが本当に正しいのか、各業務においても本質を理解することが重要です。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
本日は皆さんの会社が提供しているモノやサービス、業務などで表面的な価値で止まってしまうのではなく、本質を考えることについて説明してきました。
お客様は洗濯機や掃除機が欲しいのではなく、その裏にある本質な価値を求めています。
この本質を意識しないと、不必要に高機能なものを作ってしまったり、手厚い対応の時間を費やしすぎてしまう可能性があります。
自社はお客様に何を提供するのか、思考停止にならずに考えるクセをつけていきましょう!
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